サメ革の加工は一般的な皮革とは異なる技術が必要とされ、加工や染色にとても手間暇がかかる取り扱いの難しい素材です。
さらに、サメは養殖出来ないので全てが天然物。
獲れる量が少ない上に、サメは気性が荒く怪我をすることも多いので、傷が少ない綺麗な部位を確保するのは大変難しく、中々お目にかかれない希少な素材となっています。
1.サメの大きさ
気仙沼の港で水揚げされるヨシキリザメは体長1.5m〜2mほどの中型のサメです。
サイズが小さいうえに、海を泳ぐ野生生物ため傷も多いため、1匹から革小物として商品化出来るのは、極めて少量です。
2.特徴的な細かい帯縄状の凹凸(シボ感)
清らかな水の流れを彷彿させる美しい革模様は、使うほどに色艶が深まり、より味わい深い表情を見せてくれます。
海外産のサメ革はごわごわと硬質な質感のものが多いですが、気仙沼産のサメ革はずっと触っていたくなるような気持ちの良い手触りです。
最高の素材を日本の職人が丁寧な手仕事で仕上げることで、世界最高品質とされるサメ革は生まれてくるのです。
3.耐水性と丈夫さ
サメは海の生物のため、水に強いです。
牛などと違い毛根がないので水を通しにくく、水に濡れても縮みにくいです。
さらに、筋繊維が密なため、しなやかで丈夫な性質を持ちます。
傷がつきにくく、長く愛用できる革です。
4.鮮やかなカラー
サメ革の表情を引き出す鮮やかな染色を施すのには大変な手間暇がかかります。
まずは、鱗を落とし、漂白するといったサメ革ならではの作業工程から。
このような一般的な牛革などには無い作業工程を経た後、サメ革の模様を強く出せる植物性タンニンなめし加工を施します。
植物性タンニンなめしは、使い込んでいくことで革の味わいが深まる特徴があります。
また、100%天然樹液薬品であり有害なものが出ないので、環境に優しいなめし方です。
その後、山と谷の革模様に合わせて丁寧に染色していくことで、温かみのある鮮やかな色と柔らかな質感を持った革が生まれます。
仕上がるまでに時間も手間もかかりますが、クロム塩など化学薬品でなめされた革や大量生産を目的に作られる皮革とは一線を画す美しさがあります。